寺社関連の豆知識


七福神(大黒)

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七福神(大黒天)


 大黒さまといえば、左肩に大きな袋を背負い、右手に打出小槌を持ち、米俵をふみ、いかにも福々しい姿や日本神話の因幡の白兎に出てくる大国さまを想いうかべるかもしれない。
 しかし、そのルーツは、サンスクリット語でマハーカーラと呼ばれるインドの神様である。この音を漢字にすると摩訶迦羅となり、マハーは大、カーラは黒色を意味するので大黒天と呼ばれる。
 この大黒と大国が同じ音から大黒天と大国主命が同一視されるようになり、日本での大黒さまは福の神というイメージに発展していった。

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インドでの大黒天(マハーカーラ)

 インドでの大黒天は、ヒンドゥー教の主神の一つシヴァ神の化身で福神のノイメージとほど遠い、青黒い身体を持つ破壊の神・戦闘の神である。
 その姿はさまざまに描かれているが、戦闘の神というだけに、その形相はすさまじく、髪の毛を逆立て、忿怒相(怒りの表情)をしている。なかには三面八臂(三つの顔に八本の腕)で表現され、その腕は武器や人間、獣などをつかみ、ドクロの首飾りをしているものもある。
 大黒天がなぜ青黒い身体なのかは謎であるが、あるインドの伝説によると、太古に大海がかき乱されたときに、カーラーハーラという毒が出てきて、そのままでは世界が滅びてしまうので、シヴァ神がその毒を飲み込んでしまった。すると首が黒くなったという。

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台所の神・大黒天

 さて、インドでは、全ての大黒天が恐ろしい姿で表現されていたのではない。唐の僧義浄(635〜713)が書いた見聞禄「大唐南海寄帰内法伝」には、インドの寺院の台所の柱には、金の袋を持ち、背丈二尺から三尺(約60〜90センチ)ほどの小柄な大黒天が祀られており、いつでも油で拭くので、その身体は黒くなっているとある。
 つまり、大黒天には台所の神としての顔もあったのだ。その後、台所の神としての側面は、伝教大師最澄(767〜822)によって日本に伝えられ、比叡山を中心とした天台宗寺院では台所に大黒天が守護神として祀られるようになった。比叡山に最初に祀られた大黒天は三面大黒と呼ばれ、正面に大黒、向かって左に毘沙門天、右に弁財天を配した一風変わったものだったらしい。
 いづれにせよ、中国を経由して日本へと大黒天の信仰が伝わっていくうちに、大黒天の恐ろしい形相は次第にマイルドなものに変化していったようだ。

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大国主命との習合

大黒天の信仰が一般に広まるようになったきっかけは大黒天と大国主命の習合によるといわれている。これは、大国主命の大国と大黒の音が通じ合うことから、両者が同一視されるようになったことにもよるが、仏教側(特に天台宗)からの働きかけもあったと考えられる。
 十四世紀に書かれたとされる「三輪大明神神縁起」によると、最澄の前に大黒天に姿を変えた三輪大明神が現われたとされている。三輪大明神は大国主命を祀っており、そこから大国主命=大黒天という図式がでてくる。このように中世には、仏教と神道を近づけるために、「縁起」と呼ばれる神仏の由来書が多く書かれた。

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大黒舞

 さらに、大黒天の信仰の普及に一役かったのが大黒舞と呼ばれるもので、大黒頭巾をかぶり、手には打出小槌を持って、大黒天に扮して舞う祝福芸である。中世の中頃から行われていたらしいが、「一に俵を踏まえて、二ににっこり笑って、三に盃を頂いて、四に世の中良いように〜」という目出度い数え歌を歌いながら、毎年正月に各地の家々をまわり、大黒天の福を分け与えるのである。
 大黒天の信仰が広がると、台所の神様としての側面は、台所の中心となるカマドを守ってくれる神様ということで、カマド神の側面も持ち始めた。大黒天が踏む米俵に象徴されるように、農村では田の神との役割もはたし、商家では商売繁盛の神様という役割もはたすようになる。
 他の七福神がそうであるように、福をもたらすという御利益は如何ようにも解釈できるものである。大黒天の背負う袋は、まさに福袋であり、そこから出てくる御利益は尽きないように見える。

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大黒柱

 日常生活でよく使われる「大黒柱」とは、家のなかで中心となる柱のことで、そこから転じて、家族を支えて中心となる人のことを指す。なぜ「大黒柱」というのは、かって家を建てるとき、土間と座敷の間に中心となる柱が立てられ、そこに大黒天を祀ったからである。この柱は台所にも隣接しており、台所の神という条件もみたしてくれる。そこから「大黒柱」という名前がついたのである。(小学館「東京近郊・ご利益散歩ガイド」東京散歩倶楽部編著から転載)

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大黒さま案内

散歩道で紹介している中でだいこく様が祀られているのは次の寺社である。杵築神社は大国主命と事代主命を祀り、井口院は七福神の大黒天として祀られている。井の頭弁財天の黒門脇には石造りの大黒様が祀られている。
タイトル寺社名等写真備考
寺社巡り杵築神社無し本殿
井口院あり境内にある七福神堂内
三鷹−吉祥寺井の頭弁財天・黒門あり黒門脇の小祠内