寺社関連の豆知識


七福神(エビス)

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七福神(エビス)


 エビスは釣竿を持ち鯛を抱えた福々しい姿の福神で、関西では「えべっさん」の愛称で親しまれている。
 エビスには夷・戎・恵比寿・恵美須などの字があてられ、その語源は、異邦人や辺境に住む人々を意味するエミシ・エビスの語に由来するとされている。おそらく、生活空間の外部にある異郷から福をもたらす神としてイメージされたらものしい。
漁業の神エビス
 その姿があらわすように、もともとエビスは漁民の間で信仰され始めたと考えられる。

 漁村では、大漁をもたらす神として、海岸や岬の祠に祀られることが多く、毎年漁の初めに船主や村の若者が目隠しをして海底に入り、拾ってきた石を御神体として祀る例もある。また、鯨・鮫・イルカや海中から拾いあげた石、海岸に流れついたものまでエビスと呼んで祀る例がある。
 さらに興味深いことに、海岸に流れついた水死体までもエビスと呼び、大漁を呼ぶものとして信仰される例もある。海の彼方に常世の国(ユートピア)があるとされ、海から来る神霊が大漁をもたらすと考えられたからであろう。

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商業の神エビス

 漁業の神としてのエビスは、中世における商業の発展とともに、商業神としての性格を持ち始める。古くは、長寛五年(1163)に奈良東大寺内に、建長五年(1253)には鎌倉鶴岡八幡宮に、市の守護神としてまつられているが、それが商業の発展とともに商人の信仰を集めるようになった。
 エビスの信仰が海から陸に伝わり、商業神の性格を持つようになった背景としては、西宮神社(兵庫県西宮市)を本拠地とする。夷舁(えびすかき)あるいは夷まわしと呼ばれる漂泊の芸能民が重要な役割を果たしたとされる。
 彼らは、人形舞を演じながら各地をまわり、エビスの御利益を宣伝するとともに、エビスの像を印刷した御札を売ってまわった。
 西宮神社は海の守護神であったと同時に、鎮座するところは重要な交易地であったことから、次第に商売の神へと変化していく。
 現在では、正月十日の初恵比寿の日に行われる十日戎という祭が有名で、その年の商売繁盛を願う商売人で賑わう。笹に米俵・小判・鯛・大福帳・打出小槌などをつけた福笹・吉慶・大宝または小宝と呼ばれる縁起物が売られ、これを神棚に飾っておき、毎年新しいものと取り替えると福が授かるという。
 かっては関東でも正月二十日に、戎講と称して祭を行う風習があったが、十日に祭るのは関西の風習である。

エビスと蛭児大神
 商売の神様としてのエビス信仰の中心は西宮神社で、その祭神は蛭児大神とされている。 蛭児というのは、記紀によると、伊弉諾伊弉冉の間に生まれた子で、身体に障害があり、三歳になっても立つことができず、葦の船に乗せて流されたとされる。記紀のなかでは、蛭児のその後は行方不明になっとされているが、それが浜に流れついて西宮神社の祭神になったのだという。
 海の彼方からやってくるというイメージが、ヒルコとエビスに共通するからか、次第にヒルコとエビスは同一視されるようになったと考えられる。

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エビスと夷三郎(事代主命

西宮神社の祭神である蛭児大神は、別名夷三郎様と呼ばれている。しかし、夷と三郎というのも、もともと別の神だったらしい。
 三郎というのは、一般には因幡の白兎の物語で知られている大国主命の子である事代主命のことだとされ、彼が出雲の美保崎で魚を釣ったという伝承から、魚と釣竿を持った姿で描かれるようになったという。
 室町時代になると、どういうわけか夷と三郎が混同され、夷三郎という一体の神と考えられるようになった。

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農業の神エビス

 神さまの役割というものはどんどん広がっていくもので、エビスには農業神としての顔もある。大漁や商売繁盛の神なら豊作をもたらしてくれてもおかしくないと考えられたのだろう。農村では、豊作をもたらす田の神の性格も兼ね、田植えの初苗を供える例もみられる。
 また山村では、山の神をエビスと呼ぶ所もあり、田の神と山の神が定期的に行き来するという考えとエビスの信仰が重ね合わされたものと考えられる。これは外部から来訪し福をもたらすというイメージが、田の神・山の神の去来という全国的にみられる信仰と結びつけらたものと考えられる。
エビス大黒
 大黒天とエビスの二体を並べて、エビス大黒として祀ることが室町時代中期頃からあったようだ。これも強引な結び付けで夷三郎の三郎は大国主命の子の事代主命であり、大黒天は大国主命と同じであるとされていたから、親子二体を並べれば御利益も倍になるという発想であろう。(小学館「東京近郊・ご利益散歩ガイド」東京散歩倶楽部編著から転載)



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エビス案内
散歩道で紹介している中でエビス様が祀られているのは次の寺社である。杵築神社は大国主命と事代主命を祀り、大正寺、井口院は七福神のエビスとして祀られている。
タイトル寺社名等写真備考
寺社巡り杵築神社無し本殿
大正寺あり境内にある池の中島の祠内
井口院無し境内にある七福神堂内










ひるこ
いざなぎ
いざなみ
ことしろぬしのみこと
おおくにぬしのみこと